「リピートされない」「指名が続かない」——この悩み、あなたの店舗にもありませんか?
メンズエステ業界では、技術力の高いスタッフがいても、なぜかリピーターに繋がらない。そんなケースが少なくありません。実はそこには、“顧客体験(CX)”の設計不足という盲点が潜んでいることが多いのです。
「マッサージが気持ちよかった」「雰囲気が良かった」だけでは、次の予約にはつながりません。
大切なのは、「またあの人に会いたい」「またあの空間で癒されたい」と思ってもらえるような感情ベースの体験設計です。
今回ご紹介するのは、実際にリピーター率85%を実現した店舗で取り入れられているCX設計10選。どれも今日から現場に取り入れられる、再現性の高いアイデアです。
「技術」ではなく「体験」が指名を生む。
まずは、その視点を持つことから始めてみませんか?
なぜ技術だけでは指名が続かないのか?
メンズエステの集客や指名の継続において、セラピストの「技術力」はもちろん重要な要素です。しかし、それだけでリピーターが増えるわけではありません。顧客が再来店を決める本当の理由は、“体験そのもの”にあるのです。

顧客は“良かった”ではなく“また来たい”を基準にする
施術後に「気持ちよかったです」と言われたとしても、それが次回の予約に直結するとは限りません。なぜなら、「良かった」だけでは、感情的な再訪の動機づけにならないからです。
お客様が本当に望んでいるのは、「自分をわかってくれる」「この人だから頼みたい」と思える体験です。それがあって初めて、「また指名しよう」という意志が芽生えるのです。
体験の記憶は“感情”に紐づいている
人が「また行きたい」と思う体験には、必ず何かしらの感情の動きがあります。
- 癒された
- 気持ちが軽くなった
- 気づかってもらえた
- 安心できた
こうしたポジティブな感情と結びついた体験は、記憶に強く残り、比較の対象にもなりにくくなります。つまり、他店に目移りしにくくなるのです。

言い換えれば、顧客体験こそが“価格競争”を超える唯一の差別化ポイントなのです。
指名が途切れない顧客体験設計10選
ここでは、リピーター率85%を支える実践的な顧客体験設計(CX)を10個紹介します。すべて、すぐに導入可能な現場目線の工夫です。

1. 名前で呼びかける:親密さの演出
名前を覚えて呼ぶ——たったそれだけで、「自分を覚えてくれている」という喜びが生まれます。
初回来店時、会話中、施術後など、3回以上フルネームを呼ぶことを意識してみてください。名前を口にするたびに、顧客との心理的距離が縮まっていきます。
2. 最初の3分で“察し力”を見せる
「今日はお疲れですね」と言われて驚いた経験はありませんか?
これは、“自分を理解してくれている”と感じる瞬間です。
姿勢、歩き方、声のトーンからコンディションを察し、言語化する力は、信頼構築に直結します。会話の中で「最近忙しいんですか?」とさらっと聞けると、より効果的です。
3. オーダーメイド演出:希望に+αの提案
ただリクエスト通りに施術するだけでは、印象に残りません。
「足を重点的にしてほしい」という要望に対して、
「足をしっかりほぐした後に、温感オイルでじんわり包みますね」
といった一言の+αがあると、特別な印象を与えられます。
4. 非日常空間の作り込み:五感で印象を操作

- 香り:季節に合わせたアロマ
- 音:落ち着いたBGMと静けさのバランス
- 光:眩しすぎず、眠気を誘う柔らかさ
- 温度:少しだけ暖かめに
- 素材:タオルやベッドの肌触り
こうした五感の設計が、「また来たい」と思わせる空間体験につながります。
5. 余韻の設計:終わり方を印象的に
施術の余韻を引き伸ばすために、「最後の一言」「一杯のドリンク」「温かいタオル」など、体験の“締め”を演出する工夫が必要です。
たとえば、
「今日は深く眠れそうですね」
「ゆっくりおやすみください」
といった声かけが、静かな満足感を残します。
6. 「次回の楽しみ」を持たせる会話術
「次はこの香り、試してみませんか?」
「来月は限定コースも始まりますよ」
こうした提案を施術中や最後に伝えることで、次回来店への布石を打つことができます。リピーターは「理由がある再訪」に弱いのです。
7. サプライズを仕込む:常連にだけ伝える特典
- 指名3回目でオイル変更無料
- 5回目で10分延長
- 誕生日にメッセージカード付きドリンク提供
こうした“予告なしの特典”が、「また来たい」ではなく「来たくなる」へと変化させます。
8. スタッフの自己開示:関係性を“対等”に
「私も肩こりがひどくて…」
「私も最近○○にハマってて」
こうしたセラピスト自身の情報を少し開示することで、関係性が“サービス提供者”から“人”に変わります。これは継続指名に大きく貢献します。
9. LINEやDMでの「余韻フォロー」
「昨日はご来店ありがとうございました」
「今日はよく眠れましたか?」
といった、押し付けがましくない“一言のお礼”は、好印象を持続させます。
次回来店につながるのは、施術中だけでなく、その後の接点にも理由があるのです。
10. ミスも“体験”に変える対応力
予約の手違いや施術の時間超過など、ミスが起きたときほどチャンスです。
「次回、10分延長いたしますね」
「お詫びに香りをお選びいただけます」
このように**“ミスをサービスに変える”対応**は、むしろ信頼を高める一手になります。
CX(顧客体験)は属人化せず設計できる
ここまで紹介した顧客体験の工夫は、「センス」や「才能」が必要だと思われがちです。
しかし実際には、誰でも再現可能な“設計”として組み込むことができるのです。

誰が担当しても同じレベルを出せる仕組みに
指名されるセラピストとそうでないセラピストの差は、「気配り」の量や質に見えますが、その裏には**“何をどうするか”が明文化されているかどうか**があります。
たとえば、
- 施術後の声かけパターン
- 会話で必ず使う「共感フレーズ」
- 常連客への特典付与のタイミング
こうしたものを**「個人の工夫」ではなく「チームの基準」に変えること**で、属人化せずにCXを強化できます。
成功事例を型化してチーム全体で共有
良い対応や、嬉しかったクレーム対応、次回予約につながった会話など、“現場での成功事例”を仕組みに落とし込むことがポイントです。

- 日報で「昨日のうれしい対応共有タイム」を設ける
- 施術メモに「印象に残った対応項目」を記録する
- 月1回のミーティングで「接客成功事例共有シート」を使う
こうした仕組みを整えることで、チーム全体のCXレベルを再現性のあるものへと高めていけるのです。
まとめ

メンズエステにおいて、リピート率や指名の継続を左右するのは、技術力だけではありません。
むしろ、「また来たい」と思わせる感情ベースの体験——つまり、CX(顧客体験)の質こそが、リピーターを生む根本の要因です。
今回ご紹介した10の顧客体験設計は、どれも“お金をかけずに、今すぐ現場で取り入れられる”工夫ばかりです。
- 名前を呼ぶ
- 余韻を演出する
- 次回につなげる声かけをする
- 成功事例を仕組みにする
こうした積み重ねが、「また来たい」「あの人にお願いしたい」と思わせる信頼感につながっていきます。

まずは、どれか一つでも構いません。実際に現場で試してみることから始めてみてください。
小さな変化の積み重ねが、店舗全体のリピート率向上につながることを、あなた自身が体感するはずです。