「メンズエステを開業しよう」と決めたはいいものの、何から始めればいいのか分からない。
そんな状態で手が止まっていませんか?
物件探し、内装、広告、スタッフ募集、保健所や許認可の手続きまで…。
やることは山のようにあります。
とくに、許可関係や法的手続きの遅れは、営業開始そのものを遅らせる要因にもなりかねません。
この記事では、メンズエステ開業の準備を「全50項目のチェックリスト」にまとめてご紹介します。
各項目は、開業サポートの現場で実際に起こったトラブルや成功事例をもとに選定しています。
とはいえ、読者の中にはこんな不安もあるかもしれません。
- 「自分は法律関係に弱いから…」
- 「こんなに項目が多いと、挫折しそう」
- 「そもそも、どの順番で進めたらいいの?」
ご安心ください。このチェックリストは“時系列”で整理されており、順番通りに確認すれば、自然と開業に向けた準備が整う設計になっています。さらに、行政対応や保健所審査、風営法の判断など、専門的なポイントも丁寧に解説しています。
この記事を使えば、「やることが多すぎて無理」と感じることなく、着実に前に進めるはずです。
さあ、あなたの開業準備を、今ここから始めましょう。
目次[表示]
なぜ“チェックリスト化”が開業成功のカギになるのか
メンズエステの開業準備は、思った以上に「やること」が多いです。しかも、その多くは「順番」や「タイミング」を間違えると、取り返しのつかないトラブルに発展します。
開業を成功させる人たちには、共通点があります。それは、早い段階で“やるべきことの全体像”を把握しているということ。つまり、最初に「何が必要で、何をいつやるべきか」を明文化できている人は、動きも早く、無駄がないのです。
チェックリストは、その「見える化」を助けてくれるツールです。しかも、ただリストを並べるだけでなく、フェーズごとに分類することで、迷いを減らし、行動が加速するという効果もあります。
開業前のトラブル事例とその原因
私が実際に関わったケースでは、以下のようなトラブルがありました。
- 内装が完成したあとに「保健所の基準を満たしていない」と発覚し、再施工
- 風営法の届け出が必要なのに、事前確認を怠って深夜営業不可に
- 施術事故が起きた際に保険未加入で、損害賠償の自己負担が発生
これらの共通点は、「事前に調べていなかった」「誰にも相談していなかった」ことです。つまり、“知らなかった”では済まされない問題が、開業準備には多く潜んでいます。
準備が早ければ早いほど“得”をする理由
一方で、準備を早く始めた方はどうなるか。たとえば、以下のような恩恵があります。
- 内装工事にゆとりがあり、丁寧な仕上がりに
- 集客用の素材(写真やSNS投稿)を事前に整えられる
- 求人活動にも十分な時間が取れ、面談・選考に余裕が生まれる
- オープン日を確実に守れるため、信頼度が高まる
特に「行政手続き」には時間がかかるため、早期準備の価値は計り知れません。
開業準備の50項目チェックリスト【全体編】
ここからは、開業に必要な準備を5つのフェーズに分けて時系列で整理していきます。
今どの段階にいるのかを確認しながら、必要な作業をひとつずつ進めていきましょう。

フェーズ1|開業コンセプトと事業計画(1〜10項目)
この段階では、ビジネスの骨組みを固めます。ここが曖昧なままだと、物件選びや集客方針もブレてしまいます。
- コンセプト設定(癒し系/リラクゼーション特化など)
- ターゲット設定(20代ビジネスマン/富裕層など)
- 提供する施術メニューの選定
- 営業時間と定休日の決定
- 価格帯の設計(単価戦略)
- 店舗規模(個人か、複数ルームか)の検討
- 競合調査と差別化要素の明確化
- 必要資金の試算と資金調達の計画
- 売上目標と損益分岐点の確認
- 個人事業主/法人の選択検討
フェーズ2|物件契約と内装工事(11〜20項目)
店舗の“ハコ”を整えるフェーズです。保健所や風営法に絡む規制も出てくるため、注意深く進めましょう。
- 希望エリアでの物件リサーチ
- 内見と物件スペックの確認
- 風営法対象外の立地か確認(特定用途制限区域など)
- 物件オーナーに業態を正直に説明し了承を取る
- 契約内容(用途制限・営業時間制限)を確認
- 敷金・礼金など初期費用の算出
- 内装会社/業者の選定
- 換気・シャワー・排水など保健所基準の確認
- 工事スケジュールと予算の確定
- 看板・サイン計画の検討
フェーズ3|各種届出・許認可(21〜35項目)
このフェーズでの対応が遅れると、営業自体ができなくなります。とくに保健所・消防の確認は早めに。
- 開業届の提出(税務署)
- 青色申告承認申請(節税対策)
- 風営法に該当するかの確認
- 該当する場合、警察への届け出準備
- 消防署への使用開始届(必要に応じて)
- 保健所に業態を相談
- 店舗設計図を提出(必要に応じて)
- 施術ベッド配置の相談(女性専用個室要件)
- シャワー設備の有無・設置確認
- 消耗品の衛生管理体制の報告
- 管理責任者の設定
- 組合加入の検討(任意)
- 商標登録(店名やロゴ保護が必要な場合)
- 契約書・同意書の雛形作成
- 近隣住民への開業挨拶(トラブル回避)
フェーズ4|広告・集客・採用(36〜45項目)
いくら良い店でも、知ってもらわなければ意味がありません。ターゲットに届く情報設計をしましょう。
- ロゴ・店舗イメージの作成
- プロによる店舗・施術写真撮影
- SNSアカウントの開設と運用準備
- Webサイトの制作(簡易でOK)
- メンズエステポータルサイトの選定と契約
- Googleビジネスプロフィールの登録
- チラシ・名刺・リーフレットの作成
- 求人媒体の掲載と面談設定
- スタッフマニュアルの作成
- 接客・施術研修(最低限の対応力確保)
フェーズ5|営業開始直前の最終確認(46〜50項目)
開業日の1週間〜数日前にかけてやるべき“最終確認”です。ここを乗り切れば、いよいよ本番です。
- レジ・会計システムの準備
- クレジット・QR決済の導入手続き
- 施術事故保険・施設賠償保険の加入
- チェックリストによる営業前日最終点検
- 開業当日の流れをチームで共有
このように時系列で分けることで、「今やるべきこと」と「これからの準備」が整理しやすくなります。
見落としがちな「保健所・風営法・保険」関係の注意点
メンズエステを開業するうえで、多くの人が見落としがちなのが法的・行政的な手続きです。とくに保健所・風営法・保険関係の確認を怠ると、開業の遅延だけでなく、最悪の場合「営業停止」や「損害賠償」に発展することもあります。
ここでは、それぞれの注意点を具体的に見ていきましょう。

保健所に相談しておくべきタイミングと内容
内装が完成した後に保健所へ相談する…これは実は一番やってはいけない流れです。
保健所が求める施設基準(シャワーの排水口、換気、施術ベッドの配置など)は、物件の構造や施工方法によって満たせないこともあります。そのため、物件契約前〜内装設計段階で相談するのが理想です。
- 施術ルームは個室である必要があるか
- 排水や衛生設備に特別な基準があるか
- 換気装置や空調の基準
- 施術者に必要な資格・講習の有無
地域によって微妙に基準が違うため、「自分の地域の保健所に事前確認」は開業成功の大前提です。

風営法に該当するケース・しないケース
メンズエステは、基本的にはリラクゼーション業に分類されますが、深夜営業や個室構造、密着系の施術内容などによっては、風営法の届け出対象になる可能性があります。
チェックポイントは以下の通りです。
- 23時以降の営業を予定しているか
- 店舗が密閉個室であるか(視認性がない)
- 施術者と客の接触範囲や施術内容が風営法に触れないか
「うちは大丈夫なはず」と思い込まず、警察署の生活安全課に相談し、判断を仰いだほうが安心です。
届け出が必要な業態で無届け営業をすると、即営業停止という厳しい処分もあり得ます。
保険未加入によるリスクとおすすめの保険
施術中に「うっかりミスでケガをさせてしまった」「お客様の所持品を壊してしまった」など、万が一のトラブルは現実に起こりえます。
そのとき、保険に入っていなければ、すべて自己負担になります。
メンズエステで最低限検討すべき保険は以下の2つです。
- 施術事故保険(お客様への施術によるケガ等)
- 施設賠償責任保険(設備の破損・水漏れ等のトラブル)
保険料は月額数千円〜から始められるものが多く、「お守り」としてのコストパフォーマンスは非常に高いです。
開業直前ではなく、内装工事が始まる前あたりで加入を検討するのが理想的です。
「やることが多すぎる」を防ぐ3つの方法
開業準備のリストを見たとき、「これは無理かも…」と感じる方も多いでしょう。実際、チェックリストを作っただけでは意味がありません。大切なのは、それを「現実的に進められる形に落とし込むこと」です。
ここでは、実際に行動を継続するための3つの工夫を紹介します。

ToDoリストではなく「カレンダー化」する
やるべきことが多いと、ToDoリストだけでは管理が追いつかなくなります。そこでおすすめなのが、カレンダーやスケジュール表に落とし込むことです。
- Googleカレンダーに各作業を登録
- 「この日までに保健所相談」「この週に求人出稿」など期限を決める
- 週に1回、リストの進捗を確認する時間を設ける
人は“やること”よりも“いつやるか”が決まっていないと動けません。日時が決まっていれば、自然と行動に移しやすくなります。

行政対応だけは“最優先”に動く
開業準備の中でも、「役所」「警察」「保健所」といった行政対応は優先順位が高いです。その理由は明快で、こちらのペースでは動けないからです。
- 提出から許可までに2〜4週間かかる
- 必要書類に不備があるとさらに延期
- 職員とスケジュール調整が必要
だからこそ、店舗の内装や広告制作よりも先に、「行政へ相談・確認」のアクションを起こすことが大切です。早ければ早いほど、余裕をもって判断・修正ができるようになります。
プロに相談するタイミングは「悩んだらすぐ」
「ここがよく分からない」「この手続き、本当に必要?」と悩んだ時点で、すぐにプロに相談することをおすすめします。なぜなら、多くの人が「自力でやってみて、うまくいかなかった」段階で初めて依頼するからです。
- 相談は無料、または格安で受けられるサポートも多い
- 一度聞けば、他の項目にも応用できる知識が得られる
- 失敗してからのリカバリーよりも、未然防止のほうが安い
エスサポのような開業サポートに特化したサービスを、早めに情報収集しておくだけでも、開業準備が格段にスムーズになります。
まとめ
メンズエステの開業は、一見華やかに見えるかもしれませんが、その裏では多岐にわたる準備と慎重な判断が求められます。
この記事では、そのすべてを「50項目のチェックリスト」として体系化しました。
開業を「夢」から「現実」に変えるには、感覚ではなく構造で準備を進めることが不可欠です。
- なぜ保健所に相談が必要なのか
- 風営法のリスクはどこにあるのか
- 広告と人材の準備はどう計画すればよいのか
これらをすべて1つずつクリアにしていくことで、あなたの店舗は“問題なくスタートできる状態”に近づいていきます。
チェックリストは、見落としを防ぐだけでなく、「次に何をすればいいか」を明確にしてくれる道標です。まずは今日、あなたのカレンダーに“ひとつ目の行動”を入れてみてください。それが、開業成功への一歩になります。